短編

□手紙蜂→WT
2ページ/3ページ



私を呼ぶ声がする

私を呼ぶみんなの声がー

今までの日々が思い起こされる

ああ、これが走馬灯ってやつか

こんなことならやりたいこともっとやっとけば良かった

館長…私を拾ってくれてありがとうございます。時々ついていけないこともあったけど、一応上司として尊敬してます。火がついているのかどうかわからない、形だけのタバコは程々にー

アリアさん…時に厳しく、時に姉のように優しくしてくれてありがとうございます。もっとアリアさんのヴァイオリン聞きたかったなぁ。ゴーシュさんが好きだったからって不味いスープ缶押し付けるのは止めて欲しかったです。

ゴーシュさん、ロダ…今、何処にいるんですか?お世話になりっぱなしで、私何も返せてないんですよ?妹さんも待ってますから早く帰ってきてください。

ジギーさん…ザジが男の中の男って言ってたけど、その通りかっこいい貴方を尊敬してました。館長よりも。初めて鉄の馬に乗せてもらった時は興奮し過ぎて吐血してしまってごめんなさい。ハリーさんも、折角ハリーさんに上げようとお肉買ったのに…

ザジ、ヴァシュカ、コナー、ガス…いつもサポートしてくれてありがとう。ザジのこと、最初は生意気だなと思ってたけど、ネコ好きだったりジギーさんに憧れてたり共通点が多くて案外すぐに打ち解けたよね。ヴァシュカも撫でさせてくれてありがとう。コナーとガスは…食べ物の話しか覚えてないや。あ、でも、この前お土産で貰ったマフィンとても美味しかったありがとう。新人くんには全く会えないままだったけど、逆にそっちの方が良かったのかな

あとは…特にないや

いや、嘘ですごめんなさい

サンダーランド博士…死骸博士って呼ばれてたから最初は凄く怖かったです。初対面で泣いてしまってごめんなさい。でも本当は優しい人だって知りました。きっと私がいなくなったら、あの時解剖しておけば良かったなんて悪態をつきつつ、私の死を悲しんでくれるんですよね、知ってます。

モック…特に言うことないんだホントに。あーでもあれは謝らなきゃか。レターズ・スルー・ドアだっけ?あれを練習してる時、失敗の度にからかってごめんね。失敗を見られたって分かった時の顔がすごく面白くてつい。あと、クランクの毒で覚醒した後、倒れてるの気づかなくて踏んじゃってごめん。うつ伏せだったから分かんなかったんだ。てへぺろ。


っていうか長くない?地面遠くない?
どんだけ時間経ったか知らないけど、みんなに一通りお別れの挨拶終わったよ?


大事なパートナーに挨拶してなかったか


「リベルタ!!今まで、ありがとう!!色々、言いたいこととか、あるけど、うっ、ありがとうしか、言えないよぉ…うぅ、リベルタは、私の、最高の相棒だったよ!!このまま、死んじゃっても…死んじゃっても…ううぅ」


リベルタとの今までを思い出すと涙が止まらない。上手く喋れない


目を擦っていると突然視界が開けた


「は?」


周りが多少明るくなったことにより辺りを見渡す。似たような建物がこれでもかと並んでいた


え?ここどこ?地下?地下都市?


落ちてきた方角を見ると見にくいが闇のように黒い穴と離れた先にアブサンとリベルタ

落ちていく先も見てみると少し離れたところで数体の白い物体と数人の人が見えた


何あれ…ここは地下?でも光が…人工太陽の光がある、よね?

このままだと地面に激突か…あの地面硬そう…
ぐしゃっていきそうだよね、ぐしゃって…ぐしゃ?


「いいいやぁぁぁああああ!!ぐしゃってなる!!ぐしゃって!!どうせ死ぬならスプラッタよりも安楽死希望です!!!」


ああ、女帝様、唯の郵便配達員にこんな死に方はあんまりです!!


せめて死ぬ瞬間に備えようと目を固く閉じて腕で顔を覆った




.
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ