Noi Incontrammo

□第2話
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後ろを振り返るとスーツを着た男が立っていた
サングラスをしている…日はもう傾いているのに…

エルモ、と単語が聞こえたから彼を迎えにでも来たのだろう


「ジョーリィ!!」


エルモが男の元へ走って行った


「ん?あれは…」


男は私を見つめた


「今日ね、あのお姉ちゃんに言葉を教えたんだ!」


「この島の言葉が分からないのか…通りで逃げ出すはずだ。エルモ、あの少女を連れて帰るぞ」


「え?何で?」


「どうしてもだ。私だと逃げられてしまうから、エルモ、お前が行け」


「?分かったよ」


エルモが男と話し終わったのかこちらにかけてくる


「コハクお姉ちゃん。僕についてきて」


エルモに手を繋がれ、引かれる


『え?どうしたの?ついて来いと?』


だんだんと男に近づいて行く

スーツ…でもエルモの知り合いだしなぁ


「よし。帰るぞ」


エルモと私が来たことを確認し歩き出す男

エルモが彼を指差して


「ジョーリィって言うんだよ。ジョーリィ」


また単語を繰り返す

彼の名前だろうか


『ジョーリィ?』


「うん。ジョーリィ」


「お前たち、あまり人の名前を連呼するな」


ジョーリィさんが何か言った

敬称はどうつければ良いのだろうか




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