□プロローグ
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どれだけ長い間此処に居たのか…
眼は既に暗闇に慣れ切って
心はカラカラに乾いていた。
苦しくて苦しくて
涙が枯れるまで泣いた理由はもう覚えていない。
そもそも俺自身が誰なのか
名も年も何もかもがわからなかった。
此処は何処だ
俺は誰だ
何故俺は此処にいる
幾つもの疑問が浮かんでは消えた。答えは何一つ出ない。
耐えきらなくなった俺は其処を飛び出した。
目的も行く宛もないまま右も左も分からない中
ただ
ただ…
がむしゃらに飛び回った。
そんな俺の眼に飛び込んできたのは一つのか弱い『光』だった。