夕焼けの向こう側
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死が何か理解できないはずなのに、どこかでそれは理解しているようで。
『(・・・あれ・・・)』
体が小刻みに震える。
寒くないのに。
凍えることなんかないのに。
どうして・・・どうしてこんなに震える?
自分を抱き締めようとしても手が縛られていて何もすることが出来ない。
せめて、と小さく縮こまると幾らかは震えが収まった。
大きく深呼吸をして、吐いて。
何が怖い?
今までの縛られた世界から、開放されるんだよ?
私は死んで、自由になる。
死んだら鳥になって、広い世界を見てみたいな。
『(・・・そうだよ)』
怖くない。
自由になるんだから。
だから、
その瞬間まで、
私は誰かに屈したりしない。