君が居た。

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翌日。バルバットに大きなニュースが流れた。

アリババがバルバット国第三王子ということだ。人々は胸に希望を宿し、会談が行われている王宮に駆けつけた。






――一方私は






『人参と豚肉と・・・』





街へ買い物に行っていた。











 ◆ ◇ ◆ ◇










『あ、おじさん、この玉葱頂戴』

「いいよ!!25煌だよ」

『はい』

「まいどありー」



この国では普通に煌が使われている。かなり煌帝国が介入しているんだね・・・。嬉しいような、ちょっとフクザツ。


その場を後にし、荷物をアリババのアジトに置くと、近くの丘に登った。







『今日の会談・・・成功しないだろうなぁー・・・』


現状に満足している人が現状を変えようとなんて思うわけが無い。
アラジンとモルジアナは王宮前に行ってるし・・・シンドバットさんはアリババに付き添って王宮内に居るし・・・マスルールさんとジャーファルさんはどっかいっちゃったし・・・。ぶっちゃけ暇です。




『・・・街散歩しますか・・・』










 ◆ ◇ ◆ ◇











『あ!!』

「あ?」




思わぬ人と、再会。




『カシム!!』

「・・・うわぁ」

『うわぁって何。』












 ◆ ◇ ◆ ◇













『驚いた、実質霧の団を仕切っている君が街の中を堂々歩いているなんて』

「どうしようが俺の勝手だろ」


『・・・』



冷たい。一緒に買い物に付き合ってくれているのには感謝するけどさ、


『もうちょっと愛想良くできないの?』

「何で俺が愛想良くしないと駄目なんだよ」

『だってカシム悪い人に見えないもん』



そう言うと「は?」と言われた。



『ジャーファルさん・・・あ、銀色の髪の人ね?あの人の武器が私を斬ったとき、カシムはバツが悪そうにしてたでしょ?
本当に悪い人はあそこで俯いたりしないよ』


「・・・カシムって呼ぶんじゃねぇ」



ふいっと違うほうを向く。



『・・・まぁ、気になるところが無いわけじゃないんだけど』

「はぁ?」

『いや・・・』




カシムを覆っているのは黒ルフ。つまり彼は堕転している。














――ジュダルと同じ様に。














『あ、もうすっかり暗いねぇ』

「お前のせいで時間が潰れた」

『どーもすいませんでしたー』


「ちゃんと謝れよ」
『やだ』



『あ、今日は買い物付き合ってくれてありがとね!』


「・・・・・・。お前、その・・・手ぇ大丈夫か?」



『・・・、うん!!全然痛くないよ、気にしないでー』






じゃあね、と別れる。




・・・さて、あと少し買い物してからアジトに戻ろう。


 
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