君が居た。
□ストーカーちっくな皇族の皆様
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からんころんと賑やかなお祭りに下駄の音が響く。
軽いその音を出している少女の傍で他を窺っているのは――
煌帝国第三皇子練紅覇と第四皇子練白龍、そして第八皇女練紅玉だった。
民にばれないように各々変装をしているのだが・・・
「なんでこんなことしているのかしらぁ・・・」
「同感です・・・」
時は数十分前に遡る。
「ジュダル君と楓をつけるよ」
「「え?」」
突然の紅覇の言葉に白龍と紅玉は声を揃えて聞き返す。
「だからぁ、ジュダル君と楓のあとをつけるの〜」
「「・・・・・・」」
何故そんなことをしなければならないのですか、私は姉上に文を送らねば。という視線の白龍。
幸せなジュダルちゃんと楓ちゃんの邪魔をするなんて失礼です、そっとしておいてあげましょうよぉ。という視線の紅玉。
対する、紅覇は。
「・・・・・・・・・」
・・・・・・にっこり。
「た、楽しみですね、俺用意してきます!!」
「さ、さぁ私も用意しなくっちゃぁ!!失礼しました!!」
ドタドタと走り去る。
どんな笑顔だったのかはあの二人にしか分からない。ただ分かるのは、あの二人の顔が蒼白になったことだけだ。
「さて、僕も準備しよっと〜」
一方紅覇はるんるんと支度を整えていた。