BOOK2

□僕のコトすきでしょ?
2ページ/2ページ

「は〜……。」

 今晩もまた、ため息。

 ベッドに寝転がって悩んでいると、ドアをノックする音が聞えて。

「は〜い、開いてるよ〜。」

 返事をすると、ドアが開いて。

「チャニョラ〜、ゲーム貸して!」

 わっっ!!ベク?!

 慌てて、俺は起き上った。

「……寝てた?」

「……いや……考え事。」

 俺の髪の毛は、きっとボサボサ。

 手で髪の毛を整えていたら、ベクが笑いながら、俺の髪の毛を触って。

「寝癖、すごいよ?」

「え……マジ?」

 ベクが触っていた所を俺も触ろうとしたら。

 俺の指が、ベクの手に当たって。


「………!!」

 ベクがサッと手を引いた。

「……あ、ゴメン……。」

 そ、そんな、ビックリしなくても……そんなにイヤ?

 やっぱり、脈ナシか……。

 ベクは俯いてしまった。


「あ……ゲーム……。」

「あ、うん。」

 俺は、枕の横にあるゲームを取って。

「はい。」

「サンキュ〜。」



 そして、帰ろうとするベクの手を思わず掴んだ。


 ギョンスの言葉が頭に浮かんで。


 もっと、「押し」を!!




 今、珍しく、二人っきりだし!!



 ベクは、ビックリした顔で。

「……な、何?」

「……ベク……この前のコトだけど……。」

「この前?」

 ベクが俺を見た。

「僕のコト好きでしょ?って………。」

「………!!」

「あれは、台本のセリフだったの?」

 前から聞きたかったコト。

 何で、聞いたの???



 しばらく、俯いてベクは黙ってたけど。


 パッと顔を上げて。


「……どうだと思う?」

「え???」

 べ、ベク???

「あれは、台本のセリフだと思う?僕のアドリブだと思う?」

 じっとベクが俺を見て。


「いつも、チャニョラ、僕に聞いてたでしょ?」

「……うん。」

「だから、僕も聞いてみた。」

「……え……。」


 そ、それって、台本関係なしで聞いたってコト?



 ベクの言ってるコトがスグに理解できなくて、考えていると。

 ベクが俺の様子をじっと見て、ぷぅ〜っと、ほっぺたを膨らませて。



「……でも、答えてくれなかった。」

「ってあんな所で急に言われても!!」

「……チャニョラのヘタレ。」

 べ〜って、舌を出して。

「え〜!!だって!!」

「あ!!!ちょっと待って!!」

 ベクが俺の口を手で防いで。


「……????」



 ピピピッてベクの携帯が鳴って。

 
 ベクはそっと手を俺の口から離して。


 そして。


 その手をそのまま、俺の目の上に。



「……ベク?」


 何も見えませんけど???



「お誕生日、おめでと。」


 そう言った後、唇にあったかくて、甘い柔らかい感触。




「………!!」



 そっと、ベクの手が離れて。


「………ベク?」


「お誕生日プレゼント。」


 ベクの顔、赤いんですけど。


「え………?」


 い、今、俺に何をした?????



「べ、ベク!!」

「ん?」

 俺はベッドから立ち上がって、ベクの両肩を持って。




「……ベクは、俺のコト……す…す…」

 好き?って聞こうとした時。




 お決まりのように、「バン!!」って、ドアが開いて。



「「「「チャニョリ〜!!誕生日おめでと〜〜〜!!!!」」」」



 みんなが部屋に入って来て。

 クラッカーがパンパン鳴って。


 お祭り騒ぎ。



「あ、ありがと〜〜〜〜!!」

 ………めっちゃ、タイミング悪いし……。

 でも、この雰囲気を盛り上げなくては!!!




 ああ、でも………。

 チラッとベクを見ると、目が合って。

 ベクがスッと近づいて。





「続き、後で聞かせてね。」



 ………ええ〜〜〜〜〜!!今、なんと?!ベッキョナさん?!


 今年は、ハッピーな誕生日を迎えられたのかも?!


 ああ〜〜〜!!早く、みんな、出て行ってくれ〜〜〜!!!


 ……なんて思う、最低な俺。




 この後、ベクのプレゼントは、何だったのか、ちゃんとベクに聞いて、それから、ちゃんとベクに「好き」って言って、ベクの答えを貰う!!




 みんなにお祝いされながら気合いの入る俺でした!!!







 
 おしまい!!






 ニョル、お誕生日、おめでとう!!!
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ