BOOK2

□しあわせ家族6〜中編〜
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※ベクSIDE※


 今晩は、ギョンスがちびっこたちと寝るって言って、子ども部屋に入って。


 僕たちは、「おやすみ」を言って寝室に入った。

 チャニョラはご機嫌で、鼻歌歌いながらベッドに寝転がって、雑誌を読んでいた。

 僕は、明日の服の用意と、目覚ましをセットして。



「………ん?ベク?」

 ぼんやりしていた僕に気が付いて、チャニョラが振り返って。

「……チャニョラ〜!!」

 ボクもベッドに寝転がって、チャニョラの背中にくっついた。

「……心配?緊張する?」

 チャニョラが優しく聞いてくれて。

「………ん〜……嬉しんだけど、やっぱり、緊張する………。」

 半分半分かな……、できるかなって不安だし……。

「ボイトレの先生にも言うから、ボイトレしてきなよ。」

「え?!いいの???」

 チャニョラが僕の方に身体を向けて、僕をぎゅっと抱きしめて。

「俺、ギョンス以上に嬉しんだよ?」

「……うん。ありがと。」

 僕も、ぎゅっとチャニョラに抱きついた。

「ちびっこたちのコトはさ、久しぶりに、ベビーシッターのシウミンヒョンに来てもらお?」

「えっ?!いいの?」

 僕が顔を上げると、チャニョラは笑ってちゅっとキスをした。

「ベク、さっきから「いいの?」ってばっかり言ってる。」

「……だって……。」

 たった、一日のコトだけど、いろいろチャニョラやちびっこたちに迷惑かけるかなって思うと………。


「ベク、今、迷惑かけるかもって思ってるでしょ?」

「…………。」

「今回は、俺のワガママだから。ワガママ聞いて?」

 にっこり笑うチャニョラに僕は抱きついた。

「ありがと……チャニョラ。」

「ううん、俺こそ、ありがと。」

 よしよしって僕の頭を撫でるチャニョラ。

 すごく心地いい。



「このまま寝る……。」

 うとうとしてきたから言うと。


「え〜〜〜!この流れで言うと……いちゃいちゃタイム……。」

「ギョンスがいるからダメ!!」

「それは、ベクが声を我慢したら……ぶっっっ!!!」

 もう!!チャニョラのスケベ!!

 僕は、チャニョラの口を手で押さえた。

 チャニョラは拗ねた顔で僕の手を剥がして。

「もう〜〜!ベクちゃんの意地悪〜〜〜〜!!」

「何で意地悪なんだよ!!」

「じゃあ〜〜、明日いっぱい、いちゃいちゃしよ?」

「……やだ!!」

 そんな、可愛い言い方しても、ダメだから!!

「じゃあ、今、襲っちゃう!!」

「ダメ〜〜〜!!」

「じゃあ、明日!あした!あした!!あ〜し〜た〜!!」

「ああ、もう、うるさい!!」

 うとうとしてたのに、目が覚めちゃったし!!


 僕は布団を引っ張って中に潜ろうとしたら、分かってたみたいに阻止されて、気が付いたら、両手首を抑えられて、チャニョラが見下してて。


「………!!」

「……今していい?それとも、明日?」

 も〜〜〜!!何、男前な顔で、低い声で言うの?

 ……ドキドキするから、やめろ〜。


「………あした。」

 観念しちゃった僕がポツリと言うと、チャニョラはにっこり笑ってからキスをして。

「約束だからね♪」

 そう言って、僕に布団をかけて、ぎゅっと抱きしめて。

 ………いっつも、こんな感じで、チャニョラのペース。


 惚れた弱み……なのかな?

 イヤじゃないけど………。

「おやすみ、ベク。」

 チュッと最後に僕のおでこにキスをして。

「おやすみ……。」


 やっぱり、心地よくって、僕も目を閉じた。




 あ〜〜、明日から、歌の練習しなくちゃ!!

 久しぶりに歌えるかな?!

 楽しみだけど、緊張する〜!!

 でも、チャニョラがいるし、ちびっこたちにも見てほしいから、頑張ろう!!




 今日は、来てくれてありがと、ギョンス!!


 チャニョラ、ワガママ聞いてくれてありがと。



 僕、頑張ってみる!!
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