BOOK2
□僕の天使
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チャニョラがロケに行って何日かな……。
もう、すでに限界は、初日から来てて。
みんなの前では、出さないようにしてたけど、テンション高くしすぎたのか、すぐにバレてしまって、みんな僕に気を使ってくれてて。
……あぁ〜……何やってんだろ。僕……。
「………はぁ。」
シャワーを浴びて、ベッドにダイブして。
眠たくないけど、もう、寝てしまおう……。
そしたら、少しでも早く、また、次の朝が来るから……。
布団に潜り込んでぎゅっと目を閉じる。
「………。」
いつも、せまい!とか、くっつくな〜!とか、さわるな〜!とか、言いながら結局はチャニョラにくっついて寝ているのに、ここ毎日、すごく、布団も冷たく感じて。
「チャニョラ……、早く帰って来て……。」
すっぽり布団に潜ると、涙が出てきそうになって。
こんなに寂しいなんて思ってもなくて。
「チャニョラ………。」
僕は、涙をこらえて、寝ることにした。
早く、次の日になって、一日でも早く過ぎていって欲しい………。
「ん〜………。」
いつの間にか寝ていて、辺りが明るくなっていて。
ああ、やっと、一日が過ぎた……、後、何日でチャニョラは帰ってくるかな?なんて思って、目を開けると……。
何か、胸元が温かい???
あれ、何……?この物体……?寂しくて、ぬいぐるみと一緒に寝たっけ?
目をこすってよく見ると、それは、人間の頭で。
「………???」
僕にくっついているモノをそ〜っとひきはがすと……。
「……え?何で?」
ちいさな男の子が熟睡していて。
「え?え?え?」
僕の頭は一気に起きて。
すると、男の子が目を覚ました。
「……おはよ〜!!」
にっこり笑って僕を見る。
「……お、おはよ……。」
……っていうか、この笑顔……。
男の子は、まだ眠いのか、また、僕にくっついて顔をすりすりと胸に擦って。
……、この子……。
「……、キミ、誰?」
僕は、男の子の顔を見て聞いた。
「ちゃにょる!!」
「え?」
男の子が、にっこり笑ったその笑顔は。
「ぼく、ちゃにょるっていうの!!」
「えぇ〜〜〜〜!!」
やっぱり!!似てると思ったんだけど!!
この子、チャニョラにそっくりなんだ!!!
お、落ち着いて、僕。
今、チャニョラはジャングルにいるし。
……ってか、チャニョラはこんな小さくないし!
え?チャニョラの子ども?親戚の子?
え?え?え〜???
「……べく。」
「へ?」
「ちゃにょ、しってる!べくでしょ?」
そう言って、小さいチャニョラは、僕にちゅーをして。
「………。」
「ちゃにょ、べく、だいちゅき!」
やっぱり、この笑顔はチャニョラだ………。
「え〜〜〜〜!!どうしたの?ベッキョナ!!」
リビングにちびチャニョラと手を繋いで行くと、みんなが目を丸くして、僕たちを見て。
「……僕もわかんない。」
「ぼく、ちゃにょる〜!!」
「……は?」
そして、みんなの目が点になって。
だよね。誰だって、目が点になるよね。
とりあえず、起きたら僕のベッドにちびチャニョラがいたコトを話した。
ちびチャニョラは、ソファーに座ってミルクを飲みながら、みんなの様子を見ていた。
「……どうしたらいいかな?」
「…け、警察に?」
ジュンミョンヒョンが、頭を抱えて悩んでいると、ちびチャニョラが僕のところに来て、抱っこしてと手を伸ばすから、抱き上げたら。
「ちゃにょは、べくといっしょにいる!!」
「え?」
みんなが、ちびチャニョラに注目して。
「べくが、さみしいから、ちゃにょは、べくといっしょにいるの!!」
「………。」
「べく、さみしくないからね。」
そういって、小さな手で僕のほっぺたを持って、みんな前でちゅ〜をした。
「………それ、チャニョリの分身だ。」
ウーファンヒョンが飽きれた声で言った。
「へ?」
すると、みんなも。
「……そうだよね。」
うんうん、うなずきだして。
「…え……って、ちょっと待って……!」
チャニョラが帰ってきたら、どうにかなるんじゃないかって話になって、みんな自分の部屋に帰って行った。