Amore disinteressato

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「あの女…何処行ったんだぁ?」


彼、スペルビ・スクアーロは授業をサボり、
彼らしからず地道に学校中を歩きまわり
一人の人間を捜していた。


事の発端は、今朝のSHLにまで遡るー…


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「本日より我がクラスに
新しく女子生徒が来る事になった。」

担任のその言葉に生徒達は
興味を示しだし、
満足げに笑んだ担任は続ける。

「彼女は極めて優秀な為、
9歳…つまり君達よりも4歳も
年下に関わらず飛び級で
中等部1年に転入した強者だ」

4歳年下、飛び級、強者ー…

その言葉にクラスメイト達は驚きの声をあげ、
更に興味を増し始めるがー…

ただ一人、スクアーロだけは
どうでもよかった。

飛び級だか強者だか知らねぇが所詮女だ。
たかがしれてんに決まってる。

「確かに此処はマフィアの学校だが
彼女は年下だ。やりにくい事もたくさんある
だろう、お前達は先輩として仲良「おいカス。
長々しいんだよ」なっ?!」

バァンッと扉を蹴破り一人の少女が
入ってくると共に教室にいる一人一人に
鋭い殺気が痛すぎる程に刺さる。


白い肌に深紅の瞳。
濡れた鴉の羽のような長い黒髪は
ツインテールにし纏められている。
確かに幼さのある顔だが
プロの殺し屋のそれを遥かに超える
殺気を纏うことによって
表面の幼さを打ち消している。


「我が名はXIALA。てめぇらカス共と
馴れ合うつもりなんざねぇ。

だが私を気に食わんと思う
カスはいつでも歓迎してやる。

そいつはその場で消し炭になるがな!」


ぶはっ、と吹き出し笑う少女はもはや
9歳児には見えない。

こんな恐ろしい9歳児がいていいのか。

クラスが担任共々恐怖と緊張で
身体が固まるなか、またまた少し違った
生徒がいた。スクアーロだ。


この殺気、この威厳、威圧感ー…

こいつはただ者じゃねぇ!


緊張感と恐怖心走る空気にXIALAは
フン、と機嫌良く鼻で笑い
腰の抜けた担任に赤い瞳を向ける。

「おいカス野郎」

「ひぃっ」

「私の身分は約束通り伏せておけ。
もし口を滑らしてみろ、その時はー…





…かっ消す。」


口の端をにやりと上げ
またしても9歳児らしからぬ
言動をした後、少女は背を向け立ち去った。


恐怖の対象が去った事により教室に
少しの静寂と安堵が訪れる、が。


「ゔお゙ぉい待ちやがれぇ!」


このクラス一番の荒れくれ者の声により
静寂はまたしても破られる事となるー…

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そして現在。

「ったく、あの女ぁ…
もう帰りやがったのかぁ?」

かれこれ3時間は探し続けている。

この粘り強さは彼特有の
強さを求める者の性なのか、はたまたー…


ガサガサッ、ガサッ!


「…なんだぁ今の音は?」

変な物音のした方向、
それは真新しい立ち入り禁止の札と
紐で巻かれた森へ繋がる一本道。

思えば唯一ここだけ探せていなかった筈だ。


…まさか、な。


胸に込み上げる期待を抱き、

少年スクアーロは一本道を進むのであった。



Gli occhi rossi di ragazza.



赤い目の少女と謎の一本道。

出会ったのは、見つけたのは、

偶然か、はたまた必然なのかー…


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