Amore disinteressato
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俺は恐れているのかもしれない。
ジジィが俺達に与えた“無償の愛”とやらは
結局は刃へと化してしまった。
愛とは全て温かいものであると
信じて疑わなかった“私”は
何と愚かで浅はかであったことかー…
だが同時に“私”を羨ましく思う俺がいる。
今の俺にとって愛はこの世で最も
残酷で鋭いものだとしか思えないから。
だからこそ俺は恐れているのかもしれない。
俺のこの狂おしい程に
君を愛してしまっている気持ちが
いつしか刃となり君をこの手で
殺してしまうのではないのか、と。
真実を知り、共に傷付き怒り狂い、
共に戦った兄様を奪われたあの日。
“私”を捨てて“俺”になり、
愛情と光の温かさを忘れ
殺戮と闇の冷たさを身に纏った。
血に塗り潰された過去の光を想い、
未だ祈り続ける俺は
何と愚かな生き物であろうかー…
Pauroso , spaventoso...
(怖い、恐ろしい…)
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