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THE END OF THE WORLD
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鳥の泣き声で目が覚める。
時計は午前6時をさしていた。

下ろしたての制服に手を通す。
冷たい感触と少し硬い制服が癖になる。

青緑の鮮やかなネクタイに、紺のブレザー。

『憧れの……!!!』

前は私立名門校と親しまれ、乗り気で入って結局セーラーでガッカリ。
その上縛りが凄くて。
公立の普通校の制服にどれだけ憧れたか。


さて。
そんなこんなで午前6時半。

神、起きたかな。









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「超うめぇ!!!!」
『アンタ神っしょ?料理くらい…』
「できねぇ(笑)」
『の割には冷蔵庫豪華でしたね』
「あぁ、いろんなのに取り敢えず調味料ぶっかけて食べて生きてきた」
『死んでる』

あ、そうだった(笑)

そんな事を言いながら食べ、何も文句言わず完食してくれた。

朝の神はtension高いっす←






「じゃ、行ってらっしゃい」
『うん』


ドアをあけ、一歩踏み出すと腕を掴まれた。


「待ーって」
『?』
「制服似合ってるよ」
『………………有難う』



そのまま家をでた。










「立海選んでよかった。うん、やっぱ笑顔似合ってる。今まで泣いたんだ」

なら、これからいっぱい笑えば良いさ。



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『立海……』





「やめてください!!!!」

ふと目に入ったのは多数の男と女の子。
藍色の髪の…………………、制服男だから♂?





「可愛いね、お兄さん達と良い事しよーよ」
「やめろヒロ。その発言は警察行きだぞ」
「もうこの時点で警察にお世話になるんじゃない?」
「てかー、超かっこいいんだけどー」



「だっから、やめてくださいって」
『言ってるじゃないですか』



すぃ―――――――――――――――――――――――――――ん



入ってしまった。
修羅場か?
あぁ、阿修羅様。
娘さん助けるんで、味方についてください。


昔阿修羅は美しい二人の愛娘に恵まれていたが、神の2topと言われる帝釈天という神に娘を取られてしまったんだよ☆
また、阿修羅は戦いの神と呼ばれていたんだ☆
だから阿修羅の訪れる場所。
そこから修羅場って言葉ができたって説があるんだ☆

(管理人美術部です←)
(部活とかで習ったよ。)



「俺コッチの方が好みー」
『ちょ、んゃ、のゎゎ、やめ、』

変な目でみる男の人。
いや、マジ殴りたい。\(^^)/

















「やめろや」




声をした方を見ると、はねた茶髪に長身。


神だった。




黒のパーカーは肩からズリ落ち、たるんだタンクトップが顔を出していた。
いつものヤンチャな明るい声とはうらはらに、低い声が気になる。





「あ?だーれーだーよっ(笑)」
「えー?超かっこいー(棒)」
「えっ???でもイケメンじゃない?」
「分かるー!!!」
「この子の彼氏か何か?さんねーん、俺の♪」
「変態ー」

男の子たちは私の肩を掴み顔を近づけた。




『っ、ゃ!!!』





「「離せっつってんだろ/って言っているだろう?」」

二人(神と藍色の髪の子)が男の腕を掴んでいた。
メキメキと聞こえるのは気のせいじゃない。

「いってー」
「マジ死ねよ、急に何だよ」
「は?てめぇコソ死ねよ!!!!結南に触んな!!!」
「あぁ?殺んのか?」
「きめぇ!!!汚れるんだよてめぇ!!!!!このっ」
「目障りだ。俺と結南の前から消えろ」
「ケっ、こんな女っ!!!!!!!」



投げ飛ばされた。
痛いけど痛くない。

体の痛みとかじゃなくって。

『いやぁぁぁぁぁあああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!』


グッタリと力なく倒れ込んだ私とみて目を見開く神。
私を抱き抱えながら、こう言った。

「………ごめんね、結南」

俺、何回傷つければ気が済むんだろうな。



え?
どう言う意味………?







そこから私の記憶はない。




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結南を家へと連れて帰ってきた。
学校には都合よく、明日転校するようにと動かした。





すっかり気を失っている結南をベッドに寝し、頭を撫でる。

「ごめん。気持ちくらい知ってンのに。……分かってたはずなのに、」


彼女の心と頭の中を、俺はしっかり見えていたし、聞こえてた。
だからこそできる事が、できていない。

しっかり、聞いた。
今も頭に焼きついて離れない。


《汚いから触らないで》
《うわっ、水谷菌が移るわー》
《キモッ》
《消えろよ》
《マジ目障りだから》

《シネ》





全部、結南の頭ン中。
全部、俺の言った言葉。


些細なことで傷つけて。
マジ、情けねぇ。



「今日一人で行かせるんじゃなかったわ。マジ、馬鹿だ俺……」
『馬鹿』


いきなりデコピンされて、細めていた目を開ける。



『馬鹿。今神は自分のこと責めてるでしょ?私凄く感謝してるよ?責めないで?居なくならないで?私には神が必要なんだよ』

一緒にいて欲しいんだよ。


『神みたいに、人の心が読めるわけでもないから、あんま気の利いたことできないけど。私、神に拾われてよかったって、思ってるよ』








「優しい子」




そう言って、頭をなでる。
気持ちいいのか、目を細めて笑う。
そこが可愛くて。






『私だけの魔法』






そういって下に降りた。
下から野菜を切る音が聞こえた。

『今日はカレーね』











 ( ずっと続く、夢じゃない夢であるように )
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