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□THE END OF THE WORLD
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_01 本当に神ですか?
「さぁ、廻れ。我が世界よ」
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『うわっ、……………………ったいな』
知らない。
誰かの家みたい。
『あれ、私。…死んでない』
歪んだ顔を隠すように手で覆い、その場に崩れた。
「やぁ!」
麦茶と沢山の麩菓子を積み上げ、ソファーへと座る少年。
『何で私ここにいるの』
「そんなん俺が拾ったからさ」
拾った?
『何で!何でっ!!!!!生きてるなら帰して!!!!!』
「もうアンタ死んでるよ」
『ぇ』
「それに生きてるなら帰してだぁ?甘ったれた事言ってんじゃねぇ。自殺したお前がっ……、自分を殺したお前が!!!!!!!!」
『アンタに、……………アンタに何が分かんのさぁ……』
「俺は分かるよ。お前も気持ちも、何が起こったかも。全部」
『は』
『神だから』
はっ、神ですか。
そうですか。
『頭逝ってんじゃねーの』
「おう、とっくにな」
『っぁぁぁあああああ!!!!意味がチゲぇ!!!』
「女の子がそう言う言葉使っちゃいけません」
『アンタ何歳?』
「ん?18ー」
『…………………ふっ、年下め』
「嘘つけ、お前15だろ」
『馬鹿糞兄貴』
「氏ね」
『漢字が間違ってますよ(笑)』
「ばーか。読者様の為だよ、てか気づけよ」
『………へい』
「ふはっ、普通に良い子やん」
そう言って撫でる神。
何か、…………噛み合ってない?
ん、いや。
一応噛み合ってる?
『いや、何かやらかしたら出番なくなるんじゃないかって』
「あ、そっち?」
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『え、じゃぁ私生き返んの?』
「まぁな」
自殺した私を、髪が興味本意で拾った。
いや、呼び出した。
理由は、分からない。
ただの遊び相手らしい。
それで、彼の言うテニプリ、とかいう世界で生き返れと。
『何でそこまで………』
「アンタの目が、まだ死んでねーから」
『私の目…』
カチャカチャとPCを弄る手を止め、私の方を向いた。
「水谷結南。漣中学校3年A組29番、特進クラスに学年主席で生徒会長。堺悠希また、遠巻きに虐められ」
自殺。
淡々と答えていく神に恐怖を覚えた。
『……』
「んな、マジな顔すんなって」
『だって、ったし、の、……じ、……っや…!!!』
分かんない。
理由の分からない涙が止まらない。
止めようとすればする程、涙が溢れてくる。
ギュッ
『っ、』
「馬鹿、んな深く考えんな」
『忘れらんないよっ。自殺するまで追い詰められて、…っ、自分の知らない事実に振り回されて、気付いたら居場所なんて何処にもなくて、………っ』
「………」
『私は人形じゃない!!!作りものなんかじゃない!!!だから、絶対…アイツ等をっ』
「やめろ」
手で口を抑えられて、息が続かない。
強制一呼吸。
「言ったろ?俺はお前の過去を知ってるって」
『……』
「ん」
髪の優しく笑う顔が好き。
イチイチの仕草が好き。
でもこれは兄貴として。
だから私も、兄貴として。
神といると
『安心する』
「えっ」
笑ってみせると赤面する神。
「落ち着いた?」
『うん』
「じゃ、明日から再び学校行くか。準備しとけよ」
『分かった』
「俺の部屋の隣。結南の部屋な」
『ん、』
「ほれ、鍵」
『ありがと』
そのまま駆け出す。
自分の部屋っ。
嬉しくて顔がニヤける。
「っくそ。イチイチ意識して、馬鹿みてぇ………。ふっ、馬鹿か、俺。気持ちくれぇ知ってンのに」
感情読めっから。
てかその前に……
神だから ( これからどーすんのさ。俺…… )
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