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【 契約の勧め 】
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【 契約の勧め 】













テニスが好きだった。
でも、自分の残酷なテニスが大嫌いだった。
誰が望んで、生気を奪うテニスをしているのだろうか。
そのお蔭で大会などの対戦相手には必ず勝てるも、相手は弱り果てて病院送り。
そこまで命には関わらないものの、自分の子供が傷つけられた怒りは相当らしい。




「あんなテニス、人殺しよ!!!!」






いつだっけ。
私が望んだテニスじゃないのに。
まだ、上手くコントロール出来ないだけなのに。

良いよ、別に。
認めてくれなくて良い。

だからお願い。

自由にさせて。
楽しくテニスがしたいだけなの。

そんな言葉、声に出さないで…。




「へぇ、それがアンタの願い?」


後方から声がして振り向くと、ピエロのような派手な格好の少年がたっていた。

『誰……』
悪「俺?俺は悪魔さ」
『いや、想像を裏切るような発言しないでよ。どう見ても、ピエロだからね、うん。言うなら格好よく道化師とかさ』
悪「え、酷!??ちょーっぴりタイプだから助けてあげようと思ったのに…」

そんなんで良いのか、悪魔よ……。

悪「Yeah!!!」
『ちょ、読心術とか止めて』

そう言って笑うと、悪魔は口元をニッと上げた。
そして突然呪文(風)を唱え始めた。

すると、光とともに私の体が透けていく。


悪「アンタの望んでる世界に連れて行ってやる」
『私の……』


望んでる世界。


その言葉は、風と共に消えていった。














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