私小説

□赤い池は? 完
1ページ/2ページ



たのしい たのしい

あたたかい あたたかい

きもちがいい。


そこには独りの少女
欲求は次第に大きく膨らみ、弾けそうな程に胸いっぱいになった


もっと もっと わたしを...みたして?
さみしい...から。


少女はゆっくりと真っ赤な池から抜け出した

きもちがいい あたたかくて みたされる
あぁ おちつく。


「ねぇ」

少女はゆっくりと顔を上げた
その顔は赤い水を被っていて
はっきりとは見えないが綺麗な瞳をしていた

「そんな所に居て楽しいの?」

『...たのしい?』

「楽しいから そこに居るんじゃないの?」

『...あたたかいの』

少年は少女の理解に苦しんだ
赤いモノが温かいのは知っている
でも、良いものでも無いのも知っているから。

「それは誰の赤なの?」

『...だれ..?しらない..』


しらない
ちかくにいたからあそんだだけ
あぁ、たりない
もっとわたしをみたして?たりないから。


「知らない人の赤でも気持ちがいいの?」

『..いい すごくいい。あんしん...できるの』

「ふーん。そーなんだ」

その時、少女の瞳が鋭く光った











『あなたも...わたしをみたしてくれる?』





→あとがき
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ