テニスの王子様

□幸村happybirthday2完
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3月5日終わり5分前

幸村宅

ピーンポーン

『こんばんは』
「何?こんな遅くに」

幸村君は少し怒って居る様子だった
そりゃそうだ
私は今日一日中、幸村君を避けていたのだから
でも、分かって欲しい
色んな女子からチヤホヤされて居る姿なんて見たくない事ぐらい

『..えっと、誕生日おめでとう。それだけだから、おやすみなさい』

幸村君の反応を見たくなくて
そのまま走り去ろうとした
けど、足は前には進まなかった
だって幸村君に腕を掴まれていたから

「言い逃げするのかい?」
『..ごめんなさい』
「そんなのが聞きたいんじゃ無いんだけど?」

真剣な顔の幸村君が少し恐く感じた
そんなに怒っているのだろうか?

『えっと、夜遅くにごめんなさい..?』
「もう、いいよ。言っても分からないだろうから」
『...ごめんなさいっ』
「はぁ〜、プレゼントは無いの?」

すっかり忘れてた!
言わないと言わないとで頭がいっぱいでプレゼントの存在を忘れていた

『ぅ、無いです』
「手ぶらだと思った。だったら目を瞑ってくれない?」
『え?』

一瞬幸村君の言っている事が分からなかったが
これ以上怒らせるのも恐くて大人しく目を瞑った

チュッ

小さなリップ音と一緒に頬に柔らかいモノが触れたのに驚いて目をあけてしまった
目の前には満足な顔をした幸村君が居た

「ふふっ、プレゼントは頂いたよ?それじゃあ、気を付けて帰ってね」

幸村君は言うだけ言い玄関の扉を閉めた

『....言い逃げ、だよ。幸村君///』

かなり熱い顔のまま玄関を見つめていた
帰ろうと背を向けたと同時に玄関の向こう側から【ガタガタッ】と音がした
幸村君も緊張してたんだと思ったら
つい嬉しくて口を弛めて
ニヤニヤとだらしない顔をして家に帰るのだった



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