君は笑いながら言った。人生なんて不公平なものだと。

□キッド
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「ねぇ、キッド」


キラーと話をしていたキッドがあたしの呼びかけに、些か不機嫌だが(面倒くさそうに)振り向く。
そんな姿にさえ胸をときめかせるあたしは、恋する乙女モード全開だろう。


恋は盲目。


昔の人は本当に上手いことを言うな。



「…なんだってんだ?」


「あのさ、」


麦藁海賊団の、黒足のサンジって素敵よね。

にっこりと微笑んで言葉を吐き出せば。
何を言い出すんだとばかりに、不機嫌そうに眉間にシワを寄せたキッドときょとんとしたキラーが2人してあたしを見る。


(キラーに至ってはマスクで分かんないけど、)



「あれぐらい、キッドも積極的になれば良いのにね」


「…下らねーっ」



あら、女の子はいつでも愛の言葉を囁いて欲しいものなの。
そう笑って言ってやればキッドは至極面倒くさそうに、けれど熱が籠もった声で耳元に囁いてくれるのだ。



最高の口説き文句で堕として!


(あたしにメロリンラブって言ってごらんよ!)
(言えるかバーカっ!頭ぶつけて今すぐ死ねっ!!!)



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