君は笑いながら言った。人生なんて不公平なものだと。

□キッド
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噛みつくように唇を奪われて。
頬を包み込むように添えられた骨ばった手をやんわりと拒めば、咥内に捻じ込むように舌を差し込まれてしまう。


はっ、と短く息を吐くと酸素を取り込む間もなく咥内を蹂躙される。



「ふ…っ…キ…ッド…」


呼吸の合間に音になった声と共に薄く目を開ければ、彼の赤い目と合う。
歯列をなぞられ、唇をぞろりと舐めたかと思うと軽くリップ音を立ててキッドの唇が離れる。



「…で?俺に言わなきゃならねぇ事があるだろ?」


あれだけ人の唇や咥内を好き勝手に貪っていたにも関わらず。
息の一つも乱さないキッドに腹立たしいを通り越して、呆れて物が言えない。


ソファーの上にふんぞり返ってにやりと笑うキッドを見て、これからは不用意な発言は避けるべきだと数分前の自分に叱咤してやりたい気持ちになった。




唇喰い破ってひれ伏し服従を誓え




(…私が悪かったですごめんなさい)
(はっ、分かりゃぁ良いんだよ)




トラファルガーの方がキスが巧そうだよね。
そんな発言をしたヒロイン。




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