short
□8/15
1ページ/4ページ
八月の、夏休みド真ん中に生まれてから、「誕生日」が「特別な日」じゃなくなるのに、
そう時間はかからなかった。
クソ親父はもとよりだが、最近では俺自身、忘れることもしばしばで。
この学園に入ってからなんざ特に忙しくて、
一昨年は、前生徒会のリコール資料集めでそれどころではなくて、
去年は生徒会の仕事(ま、コレは俺が悪いんだが…)。
ヒデのやつが、珍しくメシ奢ってくれたと思ったら、
「この間、誕生日じゃなかったのか?」
…言われてはじめて、とっくに過ぎていたのに気づいたり。
――…ただ今年は、
0時ぴったりに、電話がかかってきた。