好きかも。
□四章
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沙耶のことを知ったのは進級してまもない頃。
「う…わあああ」
人通りの少ない廊下で変な奇声が聞こえたと思い、準備室から顔を出すと目の前には転んでスカートが捲れパンツが丸見えになっているという光景があった。
今時こんな転び方するやついるんだな…
そう思い、珍しさについ携帯で写真を撮った。
よくよく見るとパンツの柄がクマだったのもはずさないやつと思った。
「あ、悠斗く〜ん」
ぶりっこ声を出してきながら女が俺に近づいてきた。
「なにしてんの?」
なんでお前に言わなきゃいけないんだよ。と思いつつも俺は女の相手をする。
「ちょっと先生に頼まれてさ」
「じゃあみゆも手伝う〜」
「え?本当?ありがとう」
こいつは使える。コイツに適当に押し付けて早く終わらそ。
そう思い、指示を出すと女は女らしいところをアピールしようとする。
「あ〜ん、これチョー重〜い。悠斗く〜ん…ゆみ無理だよ?」
お前は箸しか持ったことねぇのかよ?
たかが教科書3冊だろ?
「てゆーか…こんな暗い所に2人きりだね」
だからなんだよ!
俺はイライラが積もっていく。
「ゆみ…悠斗くんならいいよ?」
そう言ってこっちへ近づいてくる。
「この部屋あっついね?」
ブラウスのボタンをわざとらしく開けて胸の谷間を強調しようとする。
「じゃあ俺は先に持ってくね?ゆみちゃんもゆっくりでいいから運んでね?」
俺は女を無視し、頼まれたものを持ってスタスタと歩いた。
「あ〜悠斗くんのイジワル!ゆみ頑張ったのに!」
女は叫んだ。
知らねーよ。お前の頑張りなんて。つかそんなの見せられても困るし。
うざい
俺の周りの女はどいつもこいつも皆一緒のことをしてくる。
俺は興味ねぇ〜んだよ。
そう思いながら歩いていると職員室についた。
数学の教師に頼まれたものを渡すためにここまで来た。
「お〜悠斗!ありがとな!」
数学教師は俺にお礼を言うとコーヒーをおごってくれた。