嘘つきな僕ら

□case1
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「なんかあっという間だったなぁ〜…」

「え?何が?」

友達の蒼依の言葉に由衣は鋭く反応した。

「一年だよ!ここに入学してからそりゃいろんな出来事はあったよ?でも…」

「でも?」

「高校生らしいこと何一つしてない」

「高校生らしいことって?」

「青春だよ!高校生の内しか出来ないでしょ!?」

「…そうかなぁ?」

そんな会話をしてから2ヶ月が過ぎた。

由衣は鵲学園の高校二年生になった。

クラス替えで蒼依とは別のクラスになってしまった。由衣は残念で悲しくて仕方がなかったが当の蒼依はというと

『じゃ、お互い、青春を謳歌しようじゃないか』

という感じで軽い別れとなった。

由衣のクラスはいいクラスで友達もすぐに出来た。蒼依のクラスは校舎が違い行きづらかったので由衣はクラスで友達と過ごした。

蒼依も同じことを思っているのか由衣のクラスに来たことは一度もない。

だが由衣は寂しかった。心では行きたいと思っていた。だからあの時、ちょっと行ってみようとしたのが間違いだった。




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