好きかも。
□二章
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「…じゃあ本当にすればいいのか?」
「えっ?」
「嘘じゃなくて本当にすればいいんだろ?」
「そういうことじゃなくてですね…私のこと好きですか?」
私は悠斗先輩の目をジッと見つめ静かに問いかけた。
「…好きだよ」
悠斗先輩は私の目線から目を外し、ふせがちにそう答えた
「嘘ついてますね。目が泳いでます。私の目を見て言えますか?言えないですよね?本当に出来ない嘘をついでまでする必要あるんですか?」
「時間がねぇんだよ…」
悠斗先輩がボソッと呟いた
「時間?」
「…なんでもねぇよ…ただあのうるさい女どもを追い払いたいだけ」
「それなら私じゃなくてもいいじゃないですか!」
「ダメなんだよ…お前、俺のこと知らなかったんだろ?俺に興味がないやつじゃなきゃ話にならない。」
「ほかにもいるはず…」
「お前みたいなのがちょうどいいんだよ。頼む。お前が必要なんだ!」
悠斗先輩は真面目な顔で私にお願いをする。
やっぱりかっこよさは人一倍あり、ついドキッとしてしまう。
「…1つ約束してくれるなら…」
「なんだ?」
「私に恋を教えないでください。」