好きかも。
□二章
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「まあいいや、んで返して欲しいのかよ?」
「ハンカチは返して欲しいけどあなたの彼女にはなりたくないです!」
「あなたじゃねぇよ。悠斗だ…八神悠斗」
「え?」
「俺の名前だよ。八神悠斗。悠斗って呼べよ?彼女(仮)なんだから」
「いつ彼女(仮)になった!?」
「だってこれ返して欲しいんだろ?」
悠斗先輩は私に見せつけるようにハンカチをプラプラさせている。
「あの…話聞いてました?ハンカチは返して欲しいです。でも先輩の彼女にはなりたくありません!」
「だから仮だって言ってるだろ?」
「仮でも嫌です!」
「なんでだよ?」
「え?」
「なんで俺の彼女になりたくないんだよ?ふりをしとけばいいんだよ。それだけじゃねぇか?」
「それは…」
確かにふりだけなら別にどうってことはない。
だけど私は…
「好きな人でもいんの?」
「いえ…別にいません。」
「じゃあ俺の彼女になれ」
「…私はたとえ嘘でもそういうことしたくないんです!」