好きかも。
□一章
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「だってそれって少女漫画とかによくある恋の発展パターンだよ〜?いいなぁ〜」
「パターン!?」
「悠斗先輩、手とか差し伸べてくれたんでしょ?あ〜あいいなぁ〜さくらが変わりたかった!」
手差し伸べられたどころかめちゃくちゃ不機嫌でしたけど…
さくらの行き過ぎた妄想を苦笑いで聞いていると視線を感じた。
そちらを振り返ると悠斗先輩がこっちを見ていた。
あ、声大きかったかな…
「さくら!次始まっちゃうよ!早く行こ?」
「え?ちょっと待って〜」
私はさくらの言葉を無視し、スタスタ歩く。
恥ずかしい…どうせ、勘違い女って見られてたんだろうな…
恥ずかしさと虚しさで私は俯きながら歩くスピードを一秒たりとも緩めなかった。