【トキワの森入口】

□ポケセンでの朝
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ポッポの鳴き声がする。
もう朝か…起きなきゃ




『………ん。』


……よし起きた。


『ここ、どこだ…?』

ベッドから下りようとすると、腰のあたりに拘束感。



…拘束感?



恐る恐る後ろを見る。





『買b!?!?(声にならない)』





紫の髪をした、綺麗なお兄さんが、私の腰をがっちりとホールドしてらっしゃる。
そのお兄さんは、まだ夢の中なのだろう。
ぐっすりと寝ている。
しかし美形だ


つか、力強ェ!



『ど、ど、ど、』

「あ、美穂。目醒めたんだ
おはよう」




『煤I?』


またもや声にならない。
となりの部屋からは、緑…黄緑の髪のお兄さん。

そして美形である。



困惑していると、黄緑のお兄さんがこちらにやって来る。
あ、なんかすごい形相してるぞ
怒られる確定?



「爽縁。」

『え?、は?』

やっと声が出た。ひどくかすれてるけど。


「はぁ…これだから馬鹿は
爽縁だよ、君の」




『そ、そ、爽縁?
だってジャローダ…』


なんとか言葉をつないで伝えようとすると、腰のあたりから間延びした声が聞こえた


「…ん〜っ、よく寝た
あ、美穂ちゃん、おはようのちゅうしよー」



腰の拘束が取れたと同時に、今度は組み敷かれる。
見下ろされてる?え?どうゆうこと?
紫のお兄さんが怪しく笑う
え、怖い怖い怖い何されるの
昨日泣いたばかりだというのに、また涙がにじむ




『っ……』




「あれ、怯えちゃった?
ごめんごめん!そんな気はなかったんだ」





パッと紫さんが離れる。
怖かった。まだ心臓がドキドキしてるよ



「あーかーりー?」



爽縁(?)が後ろに魔王を降臨させて紫さんを睨む。
睨む?あれきっと視線だけで人を殺せるってやつじゃないか?


じゃなくて


『灯…?』


「わぁっ、美穂ちゃん助けて!そーちゃんがうわわわっ」



『爽縁?』



「何?今コイツにげきりんくらわすので忙しいからあとにして」




ぎゃいぎゃい、という可愛い効果音じゃ済まされないような、
目の前でポケモンバトルが繰り広げられている。



『二人共…なんで人間になってるの?』







 
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