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□名前を。
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「え…?お、お前?ど、どうしたのだよ?」

いきなりのことに吃驚しながらも、一生懸命俺の目を見てくる、緑間。
というか俺の方が背が低いのに目を合わせようとしてくるから、
自然と下睫毛が目立っている。
本人はわかっていないようだけど、緑間がそういう女子のような仕草をすると、
本当にそこらへんの女子よりも可愛く見える。

「お前…?どうしたのだよ?だ、黙らないでほしいのだよ…?」
可愛い可愛い可愛いk(((

「…真ちゃん」
「な、んなのだよ?」
強がりまじ可愛い…!!

「…名前、呼んでよ」
言っちゃったよ…!!!
ああ、今俺きっと怖い顔してんだろうな、だって、少し震えてる。

…やっぱ、いいか。
無理矢理呼ばせなくても、覚えてもらえなくても。
いつか、卒業までには。
「ーやっぱりー…」
「…っか、和成っ…!!」
−本当に、呼ぶなんて。
「…無理になら、呼ばなくていいよ、真ちゃ…緑間」
嘘。本当は呼んでほしい。
その声で、その表情で、
その、高さから。

「…無理矢理、じゃないのだよ。バスケ部1年レギュラーとして呼び方を考えていた所だ。

…和、成」

そんなそそる表情で、そんないつもより嬉しそうな顔して、
俺の名前を、呼ばないでほしい。

―目の前には柔らかい表情をして俺の名前を呼ぶ真ちゃん。
…もう、無理。…かも。

「和成…?おい和な―」
ちゅっ
「かかかかかか和、成っ!?」
やべぇ可愛い。
いきなりちゅーした俺も悪いけど、
可愛いすぎる真ちゃんが悪いんだ!!
「あ、ごめん。我慢、出来なかった。…真ちゃんが可愛いすぎるから…
「か、かわっ!?/////」
あ、赤くなった。
うぶで可愛いなぁ…

ぎゅっ
「…可愛いよ、真ちゃん。大好き。」
可愛い。てかからかいがいあるなー…顔真っ赤。
「あ、お、俺もき、嫌いでは無いぞ…」

―…俺の理性よ、頑張ってください。


(てか毎回名前呼びだと俺の息子が大変になるから名字呼びにしてもらったのは秘密!!)

end.
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