他校蔵

□10回言って。
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今日、立海大テニス部2年エース、切原赤也は部活に出ることもせず、大阪行きの新幹線に乗っていた。




そして今、赤也が居るのは紛れもなく―…四天宝寺中の男子テニス部のコートの中。残っているのは部長の白石蔵ノ介だけだった。






「ふぅ…、ハァ〜。待たせてしもてゴメンやで、切原クン」

「イイっスよ!いきなり来たの俺の方だしっ!」



自主練を終えた白石は、コートの側にあるベンチで待っていた赤也のもとへ駆け寄った。謝る白石に、いつもの無邪気な明るい笑顔で答えた赤也。そんな赤也に白石は、自然と笑顔を零した。






「ねぇ、白石さん!お願いあるんスけどイイっスか?」

「ん、ええで。なんや、切原クン?」

「じゃぁ、まず(ピザ)って10回言って欲しいっス!」


「…?ほな…、ピザ、ピザ、ピザ、ピザ、ピザ、ピザ、ピザ、ピザ、ピザ、ピザ」



赤也の謎のお願いに戸惑いつつも、それに白石は素直に答えた。


「ココは?」

「ひじ」

「やっぱり引っ掛からないっスかぁ〜」

「散々、やった記憶あるからなぁ」

「じゃぁ、次っス!」

「お、まだあるんか。何回やったかて、引っかからへんで!」



そんな遊びもあったな〜。と、小学生の頃を思い出す白石に赤也は次の問題を出した。







「次は(スキ)って、10回言ってくださいっ!」


「スキ、スキ、スキ、スキ、スキ、スキ、スキ、スキ、スキ、スキ」




なんの躊躇も無しに、白石は赤也に向かって10回(スキ)と言い終えた。



「俺も、白石さんの事マジ好きっス!」

「〜〜〜〜っ//////」



赤也からの不意打ちな告白に、白石は赤面し言葉も出ず口をパクパクさせた。




「あぁ〜っもう!//なんっスか!その可愛い反応っ!//」

「っ!//////」





白石の反応が可愛くて赤也は我慢出来ずに、未だ何も言えない状態の白石を抱きしめた。






「やっぱり、10回<スキ>だけじゃ全然足りないっス//…だから………」






















「俺のモノになってください//」



「……あほ//もう、なっとるやん////」








(10回スキって言って)

(俺のコト、もっと好きになって)







end

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