小説
□ツンデレラ
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速水の確信を突いた発言に全員が頷く。しかし、背後から忍び寄る存在までには気付けなかった。
「ひっ!?」
突然首に回された細いが力のこもった腕に、速水は悲鳴を上げた。
・・・瀬戸の腕だ・
「は〜や〜み〜・・・な〜にが『サッカー部には女の子がいないじゃないですか』だぁ・・・。
アタシらは女の子じゃねぇとでも言いてぇのかぁ・・・!?うん・・・!?」
「ぅわあごめんなさいごめんなさぁいっ!!」
哀れな速水をしかし部員は無視し、音撫と話を続けた。
「で、でもまぁ、マネージャーがいるにしても、女子が足りないのは事実ですよ」
神童は音撫に意見する。
その背後では茜が写真を撮りながら「流石神サマ、素敵♥」と言っていた。
「別に、マネージャーだけが女子役をするわけじゃないぞ」
横にいた鬼道が、今まで閉ざしていた口を開いた。