stay on...
□Ein Arzt und ein Professor
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シングルスの試合が行われている会場から、ほんの少し歩き、ダブルス会場へ。
会場に居る人の人数はシングルス会場の方が多いけど、それでも人は沢山居た。
『…お、やってるやってる』
何組か試合をしている中で、お目当ての選手は居た。
息ピッタリな、ダブルスペア。
…未来のシングルスプレイヤーである、二人
『乾貞治に…柳蓮二…』
「ゲーム乾・柳ペア!4−0!」
審判のコールが聞こえ、乾と柳はハイタッチをする。
乾「よし、このままいくぞ、教授!」
柳「そうだな、博士!」
…うん、可愛いな、こんちくしょう。
試合の結果は、言わずもがな、二人の圧勝である。
流石、としか言い様が無かった。
『…あ』
試合が終わり、コートから出てきた二人と目が合った。
…二人の目が輝いているのは気のせい、だろうか、誰か気のせいだと言ってくれ。
私の願い(?)は届かず、目を輝かせながら二人は駆け寄って来た。
乾「君、遠坂華南さんだよね!?」
『え、あ、うん…』
柳「試合見ててくれたんだ!?」
『う、うん…』
か、可愛いけど、君らは若いとそんなにも無邪気なのか。
と、言うか何故私の名前を知っているんだろう。
乾「あっ、自己紹介してなかったね。俺は乾貞治だよ!」
柳「柳蓮二、蓮二でいいよ!」
乾「あ、蓮二だけずるいぞ」
柳「貞治も名前で呼んでもらえばいいだろう?」
乾「じゃあそうする!」
…私置いてきぼり。
そうか…、こんなにも無邪気で可愛らしい子たちが数年後には…。
やめよう、数年後には格好良くなってるんだ、考えるな。(可愛らしい笑顔は心のアルバムに飾っておこう)
とりあえず、どうしようか。
乾「俺の事は、貞治でいいからね!」
柳「…遠坂さん?」
『えっ、あ、う、うん!蓮二君に、貞治君ね…。私の事は華南でいいよ』
いけない、いけない。
置いてきぼりにされたせいかついぼーっとしてしまっていた。
…私の思考回路はおばさんだからなぁ、いや、関係ないけど。
私が名前呼びを提示すると、また二人は目を輝かせ…
「「うん!よろしく華南ちゃん!」」
と、声を合わせて返事をした。(…ある意味シンクロ?)
その後は他愛の無い話をして、連絡先を交換した。
…終始、柳…蓮二の方はどこから取り出したのか、ノートにメモっていた。
…私のデータを取ってもいい事ないよ。
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