stay on...
□Ein Arzt und ein Professor
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「ゲームセット、ウォンバイ遠坂華南!ゲームカウント6−0!よって、今大会の優勝者は…遠坂華南!」
テニスクラブ主催の大会で、私は優勝した。
…精市が出てないから、だけど。
幸「おめでとう、華南。さすがだね」
『精市くんが出てたら、危なかっただろうけどね』
幸「フフ、だけど真田がああもあっさり負けるだなんて、俺は思わなかったけどな」
真「む…」
そう、決勝の相手は、真田だった。
けど、私が強かったというよりも…
『…相手のさする功名。私が勝てたのは…、…真田くん、少し調子悪かったでしょ?』
真「いや、別にそういう訳では…」
『ウソ、手首捻ってたくせに』
真「…む」
俺なら手首捻っても勝てたけどね、なんて事言ってる精市は無視した。
『今度また、試合しよう。その時は手首捻らないようにね?』
真「あぁ、気をつける」
今度やっても勝つつもりだけどね、なんて。
私はそう思いながら、ふと、思い出す。
『…そういえば、今日ってダブルスもやってるんだよね』
幸「そうだね、東京で負けなしのダブルスペアが…、って華南!?」
『ちょっと見てくるねー!』
私は叫んでいる精市を(また)無視して、ダブルスの試合をやっているコートに向かった。
真「…まったく、試合をしたばかりだと言うのに、タフなやつだ」
幸「もう…、一緒にお茶する予定だったのになぁ…」
残念、そう言いながら精市は真田と華南が戻ってくるのを待っていた。
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