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□歌舞伎町徒然日記(3)
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そんなこんなで、冒頭にもどる。
人質となった来園者達が横一線に並ばされている。
前にはピストルを持った、「怒滅棒 媒惡錬酢」というテロリスト集団が立っている。

なんて読むんだこれ…?
とにかく、桂さんのグループとは関係無いみたいだ…。
相手が銃を持っている以上、ヘタには動けない。
人質は僕達だけじゃないし、子供も多い。
万が一にでも被害者が出ると大変だ。

何か、この状態を打破する方法は…。

「あれ?旦那方じゃないですか」
「………」

そう言って話しかけてきた地味な人。この人は…

「…山崎さんじゃないですか!」
「何今の間?もしかして僕のこと忘れてた?」
「何でこんなところに!」
「あれ無視?新八君?…まあいいや、そちらさんこそどうしてここに?」
「銀ちゃんに騙されてバイトに来たアル」
「何言ってんだオメー、アレだよ、三人仲良く遊びに来たんだよ
な?新八」
「いや、何の見栄ですか」

そんなことを言っていると、外からサイレンの音が聞こえてきた。

「!真選組、来たか!」
一人の攘夷浪士が気付く。

「山崎さん、アンタ潜入調査中何ですか?」
「いや、実はね この人質の中に幕府のお偉いさんの娘がいるはずなんだよ。で、それを捜してたらこの有様さ」
「お前一人か?」
「どうもそうみたいで…他の奴達は副長達に報告に行っちまったみたいです」

この人の運の悪さはここでも健在か…。
かわいそうに。

「で?その娘はどこアルか?」
そこで困った顔をする山崎さん。

「それが…見当たらないだよね」
「特徴は?」
「十代半ばの、髪を後ろで結った娘です。派手な着物を着てるってんで、すぐに分かると言われたんですが…」

「やめて!!放して!!」
「「「「!!」」」」

聞こえたのは女の子の声。
みると、もの影に隠れていたであろう娘が、浪士に引っ張ってこられていた。
その服装は、まあなんとも派手で高そうな…って

「山崎さんあれぇ!」
「うん、髪も後ろで結ってある…確定だね、依頼人の娘だ!!」

「ほう、まだ隠れている奴がいたとは…他にもいるかもしれねえなあ〜、どれ、見せしめにこの娘、殺してやろう」
「…!や、やめて 助けてぇ!!」

「ちょ…ヤバイですよコレ!」
「旦那!何とかなりませんかァ!」
「ちっ!!」

次の瞬間、銀さんは木刀で仲間の一人を昏倒させていた。
叫び声もあげずに倒れた仲間に、他の奴らは気付けなかった。

「銀さん!」
「旦那!協力してくれるんですか!?」
「仕方ねーだろ、ここまで来たら!」


「いっちょやってやらぁ!!」
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