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□沖田と神楽で雨の日に。
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何でもないある日のこと。

「チャイナじゃねーか」
「!」

定春の散歩の途中、休憩していた公園のベンチで声をかけられた。

「…お前アルか、チンピラ公僕」

振り返った先にいたのは茶髪の青年、沖田だ。

「何してるネこんなとこで、仕事中だろーがお前」
「見廻りでぃ、立派な仕事だろーが」

そう言って、背中ごしに反対のベンチに座り、アイマスクを装着する。
「いや、見廻る気ねーだろ!!」
「Zzz…」
「寝んの早いアルなぁ!!」

……はぁ。こいつと喋ると一気に疲れが増すアルな…。私は基本ボケ属性なのに、こいつが構わずボケるからアル。

「…帰るアルか、定春」
そう言って立ち上がった時だった。

ポツ…

「え」

ザァァァァァァ!!!!

「ギャァァァァ!!」
「何でィ、いきなり!?」
「夕立アルヨ!!突然降りだしたネ!!」

言ってる間もどんどん激しくなる雨。

「ちぃ!とりあえずそこのファミレスまで走れ!!」
「お金ないアルヨ!」
「んなこと言ってる場合か!!さっさと行くぞアホ!!」




うぃーん
「いらっしゃいませ…」
入った途端、店員さんが固まった。無理も無いアル。
今の私達はビッショビショで、多分体重が倍ぐらいに増えてるアルからな。

「な、何名様で…」
「二人だ」
「おタバコは…」
「吸わねェ」
「あの…拭くもの、何かお持ちしましょうか…?」
「「お願いします!!!」」




窓際のテーブル、向かい合わせで座る私と沖田。

「何でこーなるアルか…」
「何が?」
「何でお前と二人でファミレスに来るハメになってるアルか!!」
「…成り行き?」
「イヤそうだけど!!そうだけど、私達一応仲悪い設定だよな!!?」
「一応も何もそうだろィ」
「そうアルな!!失礼したアル!!…じゃなくて!!」

はぁー…はぁー…。
こいつ…っ!ホントに疲れるアルな…!!

「まあ、こうなっちまったモンはしょーがねえだろ、雨止むまでの辛抱でィ 大人しくしてろ」
「ぐっ…!!…そうアルな」

なんか言いくるめられた気がして気に食わないけど、仕方ないネ。
大人しく雨が止むのを待つアル。

「でもただ待ってるだけアルか?
お金ないし、何も食べられないから暇アル」
「そうだな、俺もてめーに奢る気はサラサラねーしな」
「うっわ、ケチくさぁ 市民の税金絞り取って生きてるくせに」
「てめーは納税してねぇけどな」
「消費税があるアル」
「…食いもんの?」

はぁーあ、とあからさまにバカにした溜息をつく沖田。
こいつ…。どうやって殺してやろーか。

「そういやお前、今日が誰の誕生日か知ってるかィ」
「今日?8月25日アルか…
…っつーか主要キャラで8月っていたアルか?」
「お前…8位の人のファンに怒られるぞ」
「うーむ…」

8月…8月…
あのクサレネコ耳は8月だった気がするけど…
こいつと面識は無い筈だしな…。

「〜誰アルか!?わかんないネ!!」
「けっ!こんなんもわかんねーのかィ」
「うっさいネ、クサレポリ公!!さっさと答え言うヨロシ!!」
「正解はーァ…」

…誰アルか!?


「バブルス王女です」

「…は?」
「バブルス王女です」
「バブルス王女ってあの…ゴリラの?」
「バブルス王女です」


「イヤ分かるかァァァ!!
逆に何でお前知ってるアルか!!!」
「あ」
「あ!?」
「外見ろィ、外」
「外ォ…!?」

「雨、やんだアル…ぷっ」
「殺すアルヨお前!!?」






(終わり)


最後の沖田のセリフは、ラジオ体操の回の神楽のセリフ。
途中から定春どこ行ったとか言わない←

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