宝庫
□薬に頼るとかやっぱり良くない
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※何故か2ページ目に過剰かも知れない下ネタを挟んでしまったので、苦手な方は飛ばしてください。飛ばしても話に差し支えはありません。
薬に頼るとかやっぱり良くない
あは、と新八はぎこちない笑みを浮かべた。目の前には、むすっとした顔で万事屋のソファに座る沖田と神楽がいる。どういうわけか、恋人同士のように腕を絡めた状態で。これが本当に恋人同士だったなら、微笑ましい光景になるだろう。しかし、そんな訳にはいかない。
事の発端は、万事屋が仕事した先で貰った薬だった。依頼者は(怪しげな)新薬を研究している女で、仕事の礼にと「惚れ薬〜あなたがいないと生きていけない〜」をくれたのだ。
その惚れ薬は、2種類の液体をそれぞれ違う人に飲ませる事で、その2人がお互いを好きになるという代物だった。貰ったはいいものの、使い道が特に無い。どうしようか考えあぐねていた所に沖田が訪ねてきて、なんやかんやで沖田と神楽がその薬を飲んでしまったのだ。
そしてその惚れ薬、どうにもおかしい。結果から言えば、沖田も神楽もお互いに惚れなかった。そのかわり、常に体のどこかをお互いにくっつけていないと途端に苦しみが襲ってくるという、恐怖の効能なのだ。
「……新八」
「え、あ、何? 神楽ちゃん」
「今すぐあの女の所に行って、この効果を打ち消す薬貰って来るヨロシ」
「あの……それなんだけどね。さっき電話したら「ワイハー星に旅行に行って来るのでしばらく留守にします」って留守電になって……」
「ふざけろヨォォォォ!!! 何がワイハー星ネ、クソアマがァァァ!!!」
怒りに燃えた神楽が、拳を握り締めて立ち上がる。と同時にもちろん、沖田と絡ませていた腕がほどける。すると……
「「ぐわぁぁぁぁぁああ!!」」
沖田と神楽、2人が胸をおさえて苦しみ始めた。
「ちょっとォォ何離れてんの二人とも!! 早くもう一回繋いで!!」
新八が無理矢理二人の手を引き寄せて触れさせると、途端に二人は落ちついた。
「あの、銀さん。こ、怖いんですけどこの薬……」
「まあ、アレだな。効果は3日くらいらしいから、自然に効果切れるのを待つしかないな」
「旦那ァ、人ごとみたいに言わねーでくだせェ。3日どころか、こんなの1日だって勘弁でさァ」
「大丈夫大丈夫、3日なんてあっという間だし」
「3日もこんなやつとくっついてなきゃいけないなんて無理アル!! 大体、トイレや風呂はどうすれば良いんだヨ!!」
「んなもんなんとかなるだろー? んな事より、今日は仕事入ってんだからよ。さっさと行こうぜ」
「なんとかならないよ?! 何適当な事言ってんの銀さん!!」
「だって要は、体の一部触ってりゃ良いんだろ? 簡単じゃねーか」
「いや簡単じゃないでしょ!! どうやって生活すんの!!」
「生活はともかく、体の一部って事はアレだろ。〇〇〇と〇〇〇を使えば性活は出来……」
「何とんでもない事言ってんだクソ天パァァァァ!!!」
銀時の不穏な発言は、神楽の蹴りによって中断された。ちなみに、沖田は引きずられている。
「お前、私の保護者じゃ無かったアルか!! 何気持ち悪い事言ってくれてんだァァ!!」
「仕方ねーだろ神楽。最近原作で過激な下ネタ増えて来てんだからさあ、「より銀魂らしく」をテーマに掲げてるこのサイトだって、そりゃあ下ネタ増えるだろ」
「そういう問題じゃねーんだヨ!!」
「おい、なんでもいいけどいきなり派手なアクションすんじゃねーよ。巻き込まれるだろうが」
「お前が常に私の行動を先読みし、私に動きを合わせれば良い話ネ」
「なんでテメーに合わせなきゃならねーんでィ」
大丈夫なのか、これ。騒ぐ3人を見守りながら、新八は一人ごちた。