テニスの王子様
□どうぶつ占い
1ページ/2ページ
「明日って晴れるんかな?」
その言葉を聞いて、すぐに俺は反応する。
「晴れるっすよ」
「……おー、ありがとさん」
ユウジ先輩は俺に顔を向けず、興味なさそうに返事。
何にしても、俺に顔を向けることはない。
先輩が言うことには、何でも答えるのに上の空。
「先輩は何が知りたいんすか…」
無意識に呟いた言葉を謙也先輩に聞かれ、ごちゃごちゃ言ってきてさらに気持ちが沈んだ。
*
「あら、ユウくんと光、占いだと、愛称最悪ね。」
え
占いとか、信じないタイプだけど、こういうのって意外と落ち込むな…。
小春先輩が読んでいる雑誌を見ると算命学について、と書いてあった。
算命学ってなんや、と思ったが相性が悪いのは確かだ。
「財前!落ち込むことないで!わいがユウジとの相性、星座占いで調べてやるで!」
「…………。」
いらん世話やねん。
金太郎には似合わない雑誌をペラペラめくり、確認する。
「ざ、財前って8月生まれ……?」
「ちゃう、7月生まれや。」
「あかん、相性最悪や……」
またか。
俺より、悲しそうな顔をする金太郎。
それを見て白石部長が手にカードを持って椅子に座る。
「財前、今、俺タロット占いにハマってんねん。占ってやるわ。」
部長のニコニコスマイルが今日は痛い。
どうして、皆必死なんや。
「おー、白石のタロット占い、良く当たるんやで!」
謙也先輩のフォロー。
どうしてこんな展開になったんやっけ。
*
「結局、算命学も占星術もタロット占いも相性最悪って…呪いみたいね。」
「別に良いっすよ、俺、そう言うの気にしてませんから。」
嘘。
「すまんなぁ。」
カードをかき集めながら、白石部長は申し訳なさそうにする。
そんな顔されても、どうしろと。
「いやー!トイレ、なんか混んでたで!参った、参った!」
噂をすれば。
威勢良く、部室のドアがあき、ユウジ先輩が入ってくる。
しかし、その場は静まりかえり、ユウジ先輩を皆、見つめる。
「え、何この空気、俺、なんかした!?」
「はぁー、あんたってやつは!」
「え、俺、小春になんかした?すまん!」
ユウジ先輩は小春に抱きつき謝りこむ。
普通は俺に抱きつくところやけどな。
相性最悪。
恋愛困難。
気分最悪。
「………アホくさ」