記憶を失くした歌姫
□第2話
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〜音莉side〜
(あ)「…ん」
目を覚ますと、手足を縛られ身動きがとれない状態になっていた。
横には神楽ちゃんと、新八君もいる。
そしてかすむ視界に入ったのは、二人の人物の足元。
(禽夜)「コイツらが俺達の事を嗅ぎ回ってた連中ケロ?」
(陀絡)「ええ。最近少々小うるさくなってきたので網張ってたら簡単に引っかかってくれましてね。大方、天人嫌いの攘夷派の連中でしょう」
(禽夜)「ケロケーロ」
(陀絡)「もう一人妙な侍もいましたが、そっちの方はは騒いだ客と共に始末しました」
侍? まさか…銀さん!?
(禽夜)「あまり派手な事をするなケロ。こっちも幕府の連中を抑え込み、見て見ぬフリをするのも限界があるケロ」
(陀絡)「ええ、分かってますよ。自由に商売出来るのも旦那のおかげですからね。お陰さまで転生郷による利益は莫大なものになってますよ。この国の奴等は物の良し悪しを己で判断できねーようで。新しい物にはスグ飛びつくバカばかりだ」
(禽夜)「して、コイツらの始末はどーするケロ?」
(陀絡)「奴等の拠点を聞きだして潰しますよ。これ以上仕事の邪魔はされたくないのでね」
(禽夜)「首謀者は恐らくあの桂とか言う男ケロ。奴等は幕府(われら)にまで牙をむく凶犬故、侮るなケロ」
「陀絡さん、ちょと…。表に変な奴が来てましてね………」
(あ)「っ……」
あの麻薬(クスリ)のせいなのか、再び意識が遠のいていく。
(あ)「(銀さん、どうか無事で…いて……)」