紫陽花

□一章
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 思い出してしまったのはきっと自分のせいであろう、と申し訳なく思いながらイオンを見るが、イオンは清々しい表情をして空を見ていた。
 おもむろに空へ向かって手を伸ばす。

「天気がいい日は、屋根の上に寝転がっていつも考えるの。父さんもこの空を見ているのかな、なんて」

「イオン……」

 微笑むイオンを見ていられなくなり、ユウノは胸を押さえ俯いた。






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