うちは兄弟短編集
□『鬼』
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「兄さん、何して遊ぶ?」
いつもの様に
いつもの通りに
宿題は簡単だからと後回しにして、兄さんと遊びに出たのは夕方。
木の葉が赤かったのは夕陽のせいだけじゃない。
夏から秋へと支度を始めた森の木達が、燃える様な紅や黄色をまとい始める季節…
『サスケ、今日は目隠し鬼をしよう』
「かくれんぼじゃないの?」
『オレ達一族は眼が武器になる…肝心な時にもしその眼が見えなかったら…』
『お前なら…どうする?』
「んー…」
『他の里でもそういう訓練をしてるって聞いたんだ』
『やってみないか?』
兄さんはそう言って、何かの切れ端の様な布切れを出してオレの目を塞いだ。
『オレが手を叩いた方へ来て…』
『捕まえたら終わりだ…』