うちは兄弟短編集
□ファントムペイン
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「痛みますか?イタチさん…」
「いや…これは…」
(父上の癖…か…)
「無理に話さなくて構いませんよ?…誰にも言いたくない事の1つや2つ、ありますしねぇ」
「ふん…」
暁の装束の胸元のホックを外して左腕を添える。
その姿を見た鬼鮫が話しかける…と言うよりは呟く様な声で尋ねた。
「同胞を手にかける事が任務だと内々に知らされた時の気持ちと来たら…」
「お前…」
「よく喋るな…」
ずっと昔、木ノ葉の里にあった場所と似た雰囲気の水辺で、後に相棒となる鬼鮫に出会った。
「私もずっと消えてくれない想いがありましてねェ…」
「任務は全うしましたが…」
「思い出すんですよ…」
「そんな時には…」
「痛みますねェ…」
「……」