うちは兄弟短編集


□レスポンス
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‐‐‐センター問合中‐‐‐


[新着メール なし]
 

(…だよな…)


画面を見つめて、それまでこわばっていた身体から、すーっと力が抜けていくのがわかった。 


『急ぎの用事なら電話にしろ。それ以外はメールをよこせ』


急ぎじゃなくても電話にしたい。声を聞きたかった。


間違い電話のフリをしてリダイヤルしようか?とも考えたけど、やめた。 


着信履歴が残るのは、どうにもシャクに障る。そんな処で強がってみても、ずっと連絡がない兄を気にしていた。 



【そっちはどう?】


わざわざメールを開かなくても確認出来る1行メールを書いたのは、いつだっただろう?


長い時間、下書きで保存されたままだった。 


(送信しよう)という気になったのは、今しなければ、この先もしないんじゃないか?と思ったからだった。 



(見てるかなぁ…兄さん)



携帯を持つ手を高くあげて、送信ボタンに触れた。 
 
 
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