うちは兄弟短編集
□虐殺の夜
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「ご飯…ここに置いておくわね…」
シスイの遺書を手にしたまま、ずっと自室に引きこもっていた。
《シスイが自殺?》
遺体が…見つかったのか?
いや…そんな可能性などない
では何故…?
同じ問いを何度も繰り返していた。
暗部からも決断を迫られていた。
〈時は迫っている…>
<イタチ、お前が出来ないなら我々が…〉
《それは…》
《お待ちください…》
「ありがとう、母さん…」
何かを決した様に素早く暗部の服に着替え、お面の代わりに木ノ葉の額あてをギュッと結ぶ。
例え顔を見られたとしても
相手は死にゆく
【うちは一族】
今からこの手にかける同胞達…
ならば。
木ノ葉隠れの忍として。
木ノ葉のうちはイタチとして。
《サスケ…》
《お前はまだ、暗部の姿など知らない…》
《いつかお前に…》
《この意味が伝わる日は来るだろうか…》
『許せ…サスケ』