Book:J.H
□Q3.VS generation of KISEKI@
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赤司は背後でベタフラがとんでいることは一向に気にせず、うすら笑みでやって来る堺小春を見つめていた。
小春は赤司の一歩手前まで来て、手を腰に当てて自分よりも背の高い赤司を見上げて睨んでいた。
「あんたの言う通りに来てあげたんだけど。で、用件は?言っておくけど、故障の原因を教えるつもりなんてないからね。あんたは私を呼び出しただけなんだし」
「す、凄いマシンガントークっスね…」
ぼそりと金髪は薄水色髪に話しかけていた。
「用件かい?用件は、君に僕達帝光男子バスケ部のマネージャーになって欲しいと言うことだ」
赤司は小春の挑発めいたマシンガントークをもろともせず、単刀直入に言ってみせた。
だが、小春はぴくりとその細い眉を動かして、間髪入れずに
「断る」
と、これまたド直球に言い返したのだった。
赤司の要求を断ったーーーー!!!???
またしてもベタフラがとんでいた。
「理由を教えてくれるくらいはいいだろう」
ド直球に断られても、赤司はそれでもなお引き下がろうとはしなかった。
「あなたが私の過去を知っていようが知っていまいが、もうどうでもいいけど、私は二度とバスケはしないと決めているから。それ
だけ」
「ふぅん。"できない"じゃなくて"しない"のか。なら話は早い」
「…?」
怪訝そうに顔をしかめる小春に対して、赤司は不敵な笑みを顔に表していた。
「このメンバーの中の誰かと1on1をして貰おう」
「…は?」
小春の呆れた声が体育館に響いた。
「さっき私が言っていたこと、もう忘れたの?私はもうバスケは-…」
「出来ないのなら仕方ないが、しない…つまりやる気がないのなら、このままハイそうですかと受け入れられそうにはない」
「あなたが受け入れようと受け入れまいと、そんなの関係ない」
小春はそのまま赤司に背を向けて立ち去ろうとしたが、不意に腕を掴まれた。
「ちょっと待てよ」
小春の腕を掴んだのは、青髪だった。
「なに?」
小春は首だけ青髪の方へ向けると、灰色の瞳で青髪をギッと睨んだ。
「……っ!?」
なんだこいつ!?
青髪は、小春に睨まれた瞬間背筋が凍った。
そして、異様な感覚に襲われていた。
目が、離せねぇ……っ!!
灰色の瞳から目を反らしたいのに、その眼の圧力とも言えるようなものの為に、反らすことが出来ずにいた。
「手、離してくれる?」
冷ややかにそう告げられ、
青髪が大人しく手を離すと、小春は視線を反らして歩いていった。
「逃げるのか?」
赤司は小春の背中にそう投げ掛けた。