短編
□シェゾとちょっとケンカ
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『…ばーかばーか…シェゾのバカー』
「すみれ…悪かったって言っているだろう…」
冒頭から私が馬鹿と連呼していたのは理由があります。
理由は単純。クリスマスイブは恋人達の聖なる夜と言って(半ば強引にだったけど)デートの約束をしていたのだ。
でも、ちゃんとシェゾから了承は得たのに待ち合わせ場所で一時間くらい待っていたのだけど、全く来る気配が無かったので探しに行ったらアルルに「お前(の魔力)が欲しい!!」と有名なヘンタイのセリフを言いつつぷよ勝負してたから魔力増強しまくった技をお見舞いしてきました。
…そして冒頭に戻ります。
『約束忘れてた上にアルルといるなんて…シェゾの事嫌いになりそ…っ!』
私が言おうとした言葉は最後まで紡げず、柔らかい何かが私の唇に触れた。
考えるまでもなくこれはシェゾの唇だ。
「……頼む、嫌いにならないでくれ…すみれに嫌われたら俺はどうすればいい…っ!」
『シェゾ…』
触れていた時間はとても短い間だったけど、シェゾの私への想いが伝わってきた。
私は嬉しさやら恥ずかしさやらで恥ずかしくなって、シェゾの腕の中で額をシェゾの胸につけた。
(あぁ、やっぱり敵わない。)
(やはり一番すみれが一番好きで愛してる…)