短編

□幽霊に恋をした。
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学校からの帰り道。いつもと違う道から帰るのも良いかなとか思って、でかい屋敷を横切ろうとしたら悪寒に襲われ、頭を抱え、震えていたら男の子に「大丈夫……?」と心配して声をかけてくれたので少し落ち着いてきた。が、その子の方を見たら…ない、何がって?


『足が無いー!?』
「うん…幽霊のレイくんでーす……」


幽霊らしいテンションの彼は私の隣にふよふよと浮いていた。
私はおそるおそる、彼の頬をつねってみた。おお、つかめた。


『……痛い?』
「……いふぁいよ……」
『あー、ごめんごめん』


レイくんの頬から手を放し、頭から足…ではなく下の方まで幽霊の彼をしげしげと見つめてみる。


「……なに…?」
『んーいやさ、幽霊ってどんな感じなのかなって』
「……これはこれで楽しい、けどまだなっちゃだめ」
『え、私がなるのはダメなの?』


レイくんはゆっくりと頷いた。
表情からは読み取れないためよく分からないが、少しだけ寂しそうな感じだった。


『ふぅん…そういうものなのかな?』
「キミの…名前……教えて?」
『あ、これは失礼しました。私はすみれって言うんだ。よろしく!』
「よろしく…すみれ…」


そう言った彼の表情は読み取れなかったがほんの少しだけ口元が笑ったような気がした。





(仲良くなれたらいいなー)
(すみれと、仲良く…なりたいな…)

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