短編

□メガネを外したら恋に落ちる。
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休み時間。

──カシャン、


無機物の何かが落ちる音で私は周りの異変に気づいた。
近くにいる子の様子を窺ってみる。
アミティ、変わらず。シグもぼーっとしている。クルーク…後ろを向いているみたいだ。
お?クルークの顔を見てみると足りない。なにがって?メガネだよ!!
……意外とクルーク(メガネ無しver)もかっこいいかも知れない。


「ったく…アミティ、いきなり手を上げないでよ」
「ごめんクルーク!思わず当たっちゃった!!」


クルークのメガネは教室の後ろの方に落ちている。
とりあえず拾ってかけてみる。


「すみれ、返してくれないかい?」
『えー、やだ。拾ってあげたからちょっと貸してよ!!』
「ちょ、こら!すみれっ!」


走って逃げる私と走って追いかけるクルーク。
やっぱりクルークはメガネが無いぶん走っても転びそうになる。


『結構これ見やすいねー』
「どうでも良いから返してくれよ……あっ!」


危ない、クルークが転びそう。咄嗟にクルークを抱き締めて支える。


『大丈夫?』
「…………これじゃあボクがかっこ悪いじゃないか……」
『そうかな?とりあえずこれはお返しするよ』
「まったく…キミは困ったさんだね」


クルークを解放して、メガネをクルークにかけた。
その直後、逆にクルークに抱き締められた。


『…クルーク?どうしたの?』
「ふん!別に…何でもないけど」





(メガネを外して見えたすみれに)
(惚れ直したなんていってやらないからな!)

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