短編

□キミに触れると心拍数上昇。
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どうやらボクは魔法をかけられた。

『まぐろくん、今から私は貴方に魔法をかけます』
「ま…魔法?」

ニッっと笑ったすみれちゃんはそのまま魔法をかけた。
──
びりり、まただ。
ふとした瞬間にすみれちゃんに触れて身体に電気が走る感覚。


「ねぇ、すみれちゃんは静電気とか多い方?」
『え?ううん、あんまり無いよ?』
「そっか…★」
『そうだ!今日一緒に帰ろう?』
「ん、いいよ★」


今日こそは魔法とやらを解いてもらわなきゃ。
最近では視線が合う度にびりりってするから困る。


『ごめんね、待った?』
「ううん、今来たとこ★」


でもボクはなんて聞けば良いのか分からない。
単純に「この間かけた魔法は何」って聞ければ良いのだろうけど……ちょっと恥ずかしいな…★けどボクも男だ。


『一緒に帰るのって久々だよね』
「そうだね…★ねぇ、すみれちゃん、この間かけた魔法…解いてくれないかな?」
『え、どうして?何かあったの?』


すみれちゃんは確信犯なのか?
でもそれでも解いてもらわなきゃ、最終的に日常生活に支障をきたすと思われるからね。


「うん…ちょっとね★このままじゃ困るんだ★」
『具体的にはどんな感じ?』
「えーと…すみれちゃんを見てると胸を締め付けられる様に苦しくなる、かな?」
『…そっか……実はね、私もおんなじなんだ』


それは初耳だ。でもそれ以前に…


「それは大丈夫なの?」
『まぐろくんはやさしいね、心配してくれるの?』
「当たり前だよ★トモダチだからね★」
『じゃあ解き方教えてあげるからそれを実行してね?』


すみれちゃんの言葉に頷くとすみれちゃんは嬉しそうに微笑んだ。






(すみれちゃんがキスしてくれなんていうのは)
(確信犯だったと気づかされたんだ★)

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