短編

□家が隣のクルークくん
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『あ、クルークだー!やっほー』


ふと、休日の暇な時間に自室の窓からクルークが玄関出てくるのが見えた。
ので、思わずクルークを窓から呼んでいた。


「すみれか、淑女たるもの大声を出すなんて恥ずかしくないのかい?」
『あー…聞こえない聞こえない…ってかどこか行くの?』
「今からキミの家に行くつもりだったんだよ…母さんがお菓子作ったから渡してって」


クルークのお母さんのお菓子!私はレムレスのお菓子よりクルークのお母さんの方が好きである。


『うわぁ!楽しみだ、早速食べよう!!』
「はぁ…キミは色気より食い気だね、分かってたけど」


ぶつぶつ言っているクルークの小言は聞き流して、とりあえず部屋に通す。


『お茶淹れてくるから待っててね』
「とりあえず紅茶を飲みたいね!砂糖とミルクも付けて」


わがままでなおかつプライドの高いぼっちゃまはミルクティーじゃないと紅茶をあまり飲まない。仕方ない、作ってあげよう!!


『クルークーお待たせー、ミルクティーだよ』
「ふん、すみれもいつも美味しそうに淹れるじゃないか…」
『美味しそう、じゃなくて美味しいが正しいっ!』


自信に満ち溢れた顔で言ってやった。
というかいつも飲んだ後はぼそっと「美味しい…」と言っているのを私は知っている。


「すみれ、キミだったらボクに毎日紅茶を淹れる権利をあげるよ!!」
『いつも淹れてあげてるじゃない』
「そうだけど、そうじゃない。……まぁいいや」





(すみれへの本当のプロポーズは)
(キミの隣に立ってから言うよ)

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