短編
□スノードロップ
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私が住んでいる地名はすずらん商店街という名前である。
分かりやすく言うとりんごちゃんとまぐろくんが住んでいる場所。
しかし私が住み始めたのは小学五年の始まった時で、クラスに馴染めなかった。
しかし二人は優しくてクラスに馴染めなかった私を迎え入れてくれた。
りんごちゃんは今でも仲の良い友達だ。……まぐろくんとは会ったら挨拶をする程度。
中学校は同じだから朝、会うことが多いけど、すぐにまぐろくんは挨拶をして行ってしまう。
『あ…、まぐろくん…』
「すみれちゃん…おはよう……★」
『お、おはよう…ございます…』
「じゃあ…ボク、またね★」
ほら、まただ。彼の後ろ姿を見送りながら、仕方なくりんごちゃんと待ち合わせしている自宅の花屋でりんごちゃんを待つ。
「すみれちゃーん!お待たせしました!!さぁ、行きましょう!!」
『りんごちゃん…おはよう……』
「何だか落ち込んでますね?悩み事でもありますか?私で相談にのりますよ!」
これは言うべきか言わざるべきか。…まぐろくんと同じクラスで仲が良いりんごちゃんなら何かアドバイスをくれるかも……という考えから思いきって相談してみた。
『実は…ずっと前からまぐろくんが挨拶しかしてくれなくて、会話をしてくれないの……。どうすればいいかな…』
「…簡単な事です!!思いきって聞いてみるべきです!でも(気になるので)先に聞いておきますか?」
『う、うんお願いします…』
かっこの中の声が聞こえたのはあえて聞かないフリをした。
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