BOOK1
□灰色は想う
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「………好きじゃねぇ、ってことは確かだ。」
そっか。
ガリエラにとって、触れて欲しくない話題だったのだろう。
ガリエラは、何も、言わずに部屋を立ち去る。
まぁ、ここにいるほとんどの奴は、触れて欲しくねぇ、って思ってるよな…
自分もそのうちの一人だからこそ、彼らの気持ちが分かる。
桃さん、と李賀が呼ぶ。
どうした、と問いかければ、
「…死神のことで抱く感情は、皆、同じです。」
こんなことを言いやがる。
「悪ぃな、心配かけちまって」
絆というものがあるとは思っていない。
だけど、せめて、『想い』くらいは、繋がっていてほしい。
そう、切に願う。