BOOK1
□灰色は想う
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「随分と、横柄な態度ですこと。会議に遅れたというのに。」
「フィラレア様!」
「…引きずるね
ムルサは、フィラレアの言葉に苦笑すると、まぁ、良いと言って
「今日は皆に話しておきたいことがある。李賀は、この前対峙したが…『死神』についてだ。」
『死神』
その言葉に、全員が反応を示す。
『李賀が対峙した』という事実に対しても。
「李賀が…対峙した?」
「えぇ…まぁ、対峙したって程ではないのですけれど…死神がどのようなものか気になったものですから。」
どんな死神でしたか?、とソンが問う。
「そうですね…おかっぱで目と眉毛に羽飾りを着けた男の死神でした」
……………???
その死神が想像できないのか、皆一様に頭に疑問符を浮かべる。
ただ一人、ムルサだけは思いあたる節があったのか、あぁ、と頷く。
「綾瀬川弓親だな。十一番隊の五席だ。」
五席…
護廷十三隊の席官というのは、全員があんなに悠長な構えで戦いに臨むのだろうか?
それとも、あの男が特別なんだろうか?