BOOK1

□秘密が彼を蝕む
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総隊長の言葉が彼女と結びつく。



弓親は、重い足取りで四番隊舎に向かっていた。



「…失礼します。」



「お待ちしていましたよ、綾瀬川五席。」



今、最も会いたくない相手。



「お話しというのは…」



そうでしたね、と言うと卯ノ花の目が少し、厳しくなる。



「貴方は、何か、知っておられるのですか?」



単刀直入な質問。



答えては、いけない。



「いえ、何も。」



「…そうですか。こんな所までお呼びして申し訳ありませんでしたね。」



かまいませんよ、そう言って、弓親は立ち去ろうとする。



「綾瀬川五席、これは、忠告ですが…『秘密』というのは、自分自身を蝕んでいくのですよ。」



「…肝に銘じておきます。」



卯ノ花は、弓親の言葉を聞くと、お気をつけて、と彼を見送った。
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